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イラスト:MORIHARU
イラスト:MORIHARU

だれの未来?それは、私たちの未来

By パタゴニア    |   2020/10/07 2020年10月7日

パタゴニアの「クライメート・アクティビズム・スクール」で、気候のための行動を学ぶ。

皆さんは生まれてからどんな世界を生きてきたのでしょうか。「人生100年時代」と言われている一方、私たちはいま、地球規模の危機に直面している状況のようです。私たちの唯一の故郷である地球に住みつづけることができるかどうかは、この10年の私たち人間の行動にかかっていると、科学者たちは警告します。皆さんはどう考えますか?

これまでにない大規模な森林火災や大型化する台風、また頻発する豪雨などによる災害が私たちの命や生活に影響を与えていると、日本を含む世界のニュースで見聞きすることは増えています。当時15歳だったスウェーデン人の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんは、「根本的な問題は、要するに気候や生態系の崩壊を阻止すること、あるいは遅らせることに対してすら、何も行われていないところにあります」と訴え、2018年8月、自分ひとりだけで金曜日に学校を休み、議会前で気候変動への対策を求めて、最初の学校ストライキをするという行動を起こしました。その後、世界中の多くの学生たちが彼女の言葉に心を動かされて立ち上がり、毎週金曜日にストライキをはじめました。2019年9月には、181か国以上の760万人以上、日本では23都道府県で5,000人が世界的な気候マーチに参加しました。それでも、世界の他の地域に比べて害の少ない日本に暮らしていると、気候変動によって自分の毎日にいったいどんな変化や害が起こる可能性があるのか、具体的にイメージできないのが現実かもしれません。

今年2020年3月、WHO=世界保健機関が「世界的な大流行=パンデミックと言える」という認識を示した新型コロナウイルスは、私たちの日常の多くに制約をかけました。そして目に見えないこのウイルスによる感染症の拡大は、私たち人間の経済活動や自然環境との関りによって生まれたこと、また経済活動や自然環境をはじめとするあらゆるものが互いに影響しながらつながりをもっていることに気づかせてもくれました。気候変動はこのウイルスのパンデミックのような脅威の形で私たちを襲ってくるものではなく、なかなか危機感を抱きにくいものかもしれません。しかしながら私たちパタゴニアの仲間が世界各地のフィールドで体験した事象や多くの科学者たちの声、そして日本政府の「気候変動の観測・予測及び影響評価統合レポート~日本の気候変動とその影響~」には、気候の変化により、私たちが生きるために必要な米や野菜や果物の栽培といった農業をはじめ、林業、水産業、森林、自然生態系、自然災害、健康、経済活動、生活、都市機能など、生活やビジネスの基盤に必要なさまざまなことに何らかの影響がおよぶことが記されています。

若い世代の皆さんはいま、どんな未来が見えているでしょうか。気候変動を引き起こす要因を取り除くために行動することは、生きるために日々皆さんが食べているものや、学んだり友人と過ごすための学校の授業や部活動、そして大切にしていることや大切な人との時間をこの先も楽しみたい、将来こんなことをしてみたい、という願いに、直接的につながっています。「この状況を打開するためには、二酸化炭素の排出を削減すればいいんでしょ」そうです。ただ、新型コロナによる自粛期間中、経済活動やモノや人の移動が停滞して減ったといわれた二酸化炭素の排出量でしたが、気候変動を引き起こすひとつの原因である地球温暖化による気温の上昇を抑えることへの影響は、微々たるものであるとも報告されました。つまり、たんに経済活動を縮小したり個人で二酸化炭素を減らす結果だけでは、本当の意味でこの気候の状況を変えることにはならないのです。やっかいです。

これまでの経済や社会システムによって、あと10年が正念場といわれる気候変動。そのための二酸化炭素の排出量を減らす脱炭素社会の未来像には、新しいエネルギー、食料、交通、土地、産業、建物、運輸および都市において、広範囲におよぶシステムの移行に着手することなどが含まれています。地球上の誰も取り残さないという視点をもち、移行にともなう出来事にもポジティブな新しい提案をしていく。その希望は皆さんの手のなかにあります。

パタゴニア日本支社は、この状況に皆さんとともに問いを投げかけることからはじめたいと考え、気候変動をはじめ環境や地域のテーマに関心をもち、行動してみたいけれど起こせていない全国の高校生・大学生を対象とする「クライメート・アクティビズム・スクール」を開催します。オンラインによる座学と対話で学び、その後フィールドワークを実施し、これまでの経済や社会システムによって生まれている気候変動や生態系の喪失をはじめとする環境問題という現実に目を向けながらも、未来を思い描き、それぞれのテーマにおけるステークホルダーと協働し、社会の担い手として創造性をもって実践に移せるようにします。本プログラムは、パタゴニアの長年つづく、環境保護活動を成功に導くための「草の根活動家のためのツール会議」の一部でもあります。

日本は、他国に比べても対話がすすみにくい社会構造であるといえるかもしれません。気候変動は緊急の問題ですが、その手前にも社会的課題は山積みで、また個人にとって重要な問題もたくさんあるでしょう。AIなどのテクノロジーによる変化も劇的におきます。不条理な出来事に遭遇したとき、それにどう対処すべきか、何か方法はあるのか、大人ですら分かりにくい社会です。高等教育まで受け、基礎学力をつけた優秀な人でも、社会でそれを発揮することはとても難しいことです。それでも、このままかつて私たち大人世代が描いていた未来像へ向かうのではなく、皆さんの将来にある地球を住みやすい環境にし、ひとりひとりの大切なものや人を大切にしながら生きることのできる未来像――新たな価値を生み出し、分断された環境や人間がつながりを取り戻す社会――を描いてみてください。

いま起きている時代の変化の本質に目をやり、どこから取り組みたいか、ぼんやり見えていた世界から皆さんにとっての新たな問いを見つけて、創造性をもった社会の担い手や社会をつくる仲間として行動することをはじめたら、見える景色が変わってくるかもしれません。若い世代の皆さんの眼差しでこの世界を見てほしいと思います。皆さんが生きることができる安全な気候と未来のため、本スクールで学び、それぞれの学校や地域で行動を実践してみませんか。

だれの未来?それは、私たちの未来

クライメート・アクティビズム・スクールで、気候のための行動を学ぶ。

新たな価値を生み出し、分断された環境や人間がつながりを取り戻す社会を。皆さんが生きることができる安全な気候と未来のため、本スクールで学び、それぞれの学校や地域で行動を実践してみませんか。

行動を起こす

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