この地を国定公園に指定しないのは無責任だ。Photo: Josh Ewing
この地を国定公園に指定しないのは無責任だ。Photo: Josh Ewing

ベアーズ・イヤーズが国定公園として保護されるべき5つの理由

By パタゴニア    |   2016/08/29 2016年8月29日

地球にはユタ州南東部のベアーズ・イヤーズ地域のような場所は他にありません。インディアン・クリークの世界級のクラック・クライミング、アバホ山脈のシングルトラックのバイクライディング、グランドガルチのバックパッキングからサンフアン・リバーの川下りまで、ここには冒険が豊富に存在します。しかしその価値はクライミングやバイクライディングだけではありません。10万以上の考古遺跡を有するこの場所はまた、数多くの南西部の先住民族が先祖の故郷として知る文化的な景観でもあります。

アメリカ先住民はいまもベアーズ・イヤーズで儀式を行い、狩りをし、ハーブや薬草を集めています。この種のものとしては初である、アメリカ先住民の独立した部族5つ(ホピ族、ナバホ族、ユインタ族、ユーレイ・ユート族、ユート・マウンテン・ユート族、ズーニ族)の同盟がベアーズ・イヤーズの文化遺跡として190万エーカーのこの地を国定公園に指定するようオバマ大統領に呼びかけています。ここに国定公園を設立することは石油とガス開発、カリウムおよびウラン鉱山の脅威を鎮めるだけでなく、継続するアメリカ先住民族の盗墓と聖地の略奪を防止するために切に必要とされる観光客の教育および法の施行をもたらします。

以下は、ベアーズ・イヤーズを国定公園に指定するべき5つの理由です。

1.盗墓および冒涜を阻止する

いまベアーズ・イヤーズは略奪されています。ロックアートのパネルは破壊され、墓地は掘り返され、人間の歴史が消されています。最低でも5つの重大な冒涜が取り調べられ中です。他の多くは報告されないままです。そしてそのほとんどは追訴されません。

“「私たちの先祖が永遠に眠る場所を乱してほしくはありませんし、一緒に埋葬された埋葬品が掘り出されることは考えたくもありません。こんなことは一家代々の墓や他の墓地では起こりえません」”

—レジーナ・ロペス=ホワイトスカンク、ユート・マウンテン・ユート族

アメリカ先住民族は長いあいだベアーズ・イヤーズ地域を故郷とし、保護されるべき美しく繊細な歴史を築いてきた。Photo: Josh Ewing
アメリカ先住民族は長いあいだベアーズ・イヤーズ地域を故郷とし、保護されるべき美しく繊細な歴史を築いてきた。Photo: Josh Ewing

2.無責任な開発の脅威を削減する

これらの脅威は現実かつ緊急です。石油とガス開発、カリウムとウラン鉱はそこを訪れるのを制限し、愛される娯楽の場を永久に破壊する恐れがあります。ベアーズ・イヤーズはオイル、カリウム、ウラン以上の価値を有します。比類なき文化資源と未開発の自然の景観はいったん乱され、破壊されたら、修復はできません。

“「略奪、盗墓、鉱石採掘権リースなどは危機のほんの数例で、これらはすべて現実的な問題です。それらはいま現在起こっており、提案されていることです。これらの残念な行為により、私たちはこれらの土地を訪れたり、癒しを受けたりできなくなってしまうのです。もし私たちが負けてしまえば、それは永久に失われます」 ”

—レジーナ・ロペス=ホワイトスカンク、ユート・マウンテン・ユート族

シーダー・メサのバレー・オブ・ザ・ゴッズは圧巻のハイクと2本のルートを有す。Photo: Andrew Burr
シーダー・メサのバレー・オブ・ザ・ゴッズは圧巻のハイクと2本のルートを有す。Photo: Andrew Burr

3.ユタ州の娯楽経済を保護し、育成する

アウトドアを愛する人なら誰でもユタを愛しています。アウトドア産業協会の報告では、ユタ州ではアウトドア・レクレーションだけで120億ドルの個人消費、36億ドルの賃金/給与、8億5千600万ドルの州および地方税を生み出しています。しかしそれは金銭だけではありません。ユタ州のアウトドアは12万2千の直接的な職を生み出しています。このことが示すのは、ベアーズ・イヤーズのような娯楽地域が個人の利害または鉱山開発などに手渡され、人びとが依存し、愛する土地を破壊せずに確保することへのより重大な必要性です。

“「ユタ州は強力で活気あるアウトドア企業の中心地です。私たちの政治家はこれらの象徴的な野生地が、ただ生物多様性や水域を有するというだけでなく、この州で急成長を遂げる経済部門であるということを真に理解していないのです」”

—ピーター・メットキャフ,ブラック・ダイアモンド・イクイップメント創業者

ベアーズ・イヤーズ内のインディアン・クリークにてまたもやクラックを登るアクティビストでクライマーのジョシュ・ユーイング。Photo: Mikey Schaefer
ベアーズ・イヤーズ内のインディアン・クリークにてまたもやクラックを登るアクティビストでクライマーのジョシュ・ユーイング。Photo: Mikey Schaefer

4.前代未聞の癒しの機会

国定公園はすべてのアメリカ人にとって重要な聖地の価値を保護し、私たち皆が分かち合うべき遺産の未来を保証するものです。ベアーズ・イヤーズを国定公園に指定することで、砂岩の壁、比類のない娯楽、そしてアメリカ先住民の活気ある文化を研究し、楽しむために人びとが集まります。この地を保護することは私たちの歴史を保護することであり、それを故郷とする人びとに新たな希望をもたらすことでもあります。ベアーズ・イヤーズは過去の不正義、土地、そしてすべての人間関係の深淵なる癒しの機会を提供します。

“「すべての文化資源は人間という経験の一部であり、皆に属すものです。だから全員がそれを保護する責任をもつべきだと思います。これは歴史のとても重要な一部であり、これからも多くの美しい物語が語られるのを待っています」”

—ジム・エノート、ズーニ族

ベアーズ・イヤーズ地域はその世界級のクラック・クライミングによりクライマーに愛されている。Photo: Mikey Schaefer
ベアーズ・イヤーズ地域はその世界級のクラック・クライミングによりクライマーに愛されている。Photo: Mikey Schaefer

5.ユタ州民は新しい国定公園を欲している

ベアーズ・イヤーズへの支持は強く、団結しています。ユタ州のナバホ支部の7つのうち6つとナバホ国審議会が、ベアーズ・イヤーズを保護することを決議しています。〈インター・トライバル・コーリション〉の5つの独立国もそれを強く支持しています。それらすべてがベアーズ・イヤーズ国定公園を支持する声明を発表するか、決議を通過しています。合計21の他の南西部の部族、さらに225の部族を代表するアメリカインディアン国民会議も支持しています。またユタ州民もベアーズ・イヤーズを支持しています。最近のロッキー山脈をまたぐ州のアンケート調査では、66%のユタ州民がベアーズ・イヤーズの保護に賛成しています。人びとは彼らの土地が保護されていることを呼びかけており、その声は尊重されるべきです。

“「団結し、同じ方向へと進む家族の一員であるという考えは、個々の努力よりも強力です。グループが結束すれば、将来すべての部族が結合します。癒されるのは私たちだけではありません。それはまた私たちの敵対者を癒すことでもあります。私たちは一緒に踊ることができるのです」”

—ウィリー・グレイアイズ、ナバホ族

〈インター・トライバル・コーリション〉によるベアーズ・イヤーズのための提案は歴史的なものです。これは古文化財保護法令から110年ぶりに、先住民部族が国定公園指定を求めて大統領に直接嘆願したもので、彼らの提案には画期的な連邦政府/先住民部族間の協働的管理への呼びかけが含まれています。ここに想定されているこの種の国定公園は、先祖代々の土地を保護することを願う世界中の先住民族にとって重要な前例となります。ベアーズ・イヤーズの保護はアメリカの将来の世代のための強力な遺産です。残すところ数か月となったオバマ政権。いまこそ行動を起こすときです。

行動を起こそう!

〈ベアーズ・イヤーズ・コーリション〉はベアーズ・イヤーズ地域を国定公園として永久に保護することを求めています。嘆願書に署名し、ベアーズ・イヤーズの保護を支持するあなたの声を轟かせましょう。

嘆願書に署名する