ブラフの36時間:ベアーズ・イヤーズ国定公園への道
時間は迫っていた。僕の上司が彼の上司に許可をもらい、金曜日のソルトレイク・シティへの飛行機を予約したのは水曜日の午後だった。明け方にリノからソルトレイクへ飛び、そこでベンチュラから飛んできたパタゴニアのソーシャルメディア・プロデューサーのジャレッドと落ち合い、それからパタゴニアのソルトレイク・シティのアウトレット店で環境関連担当のジョーとジョンをピックアップした。店の駐車場でレンタカーに荷物を詰め、僕らはブラフへの6時間の旅路についた。
僕らの使命はユタ州南西部のベアーズ・イヤーズと呼ばれる190万エーカーの運命を決定する鍵となるオバマ政権との市民集会を、パタゴニア初のライブストリーミングで放映することだった。またこの比類のない、かつ美しいエリアの永久保護を求める先住民部族のグループを支持することでもあった。
パタゴニアは環境助成金と衣類の寄付を通じてここ数年〈ベアーズ・イヤーズ・コーリション〉を支援。昨年はクライマーのジョシュ・ユーイングとともに、クライミングへの情熱をベアーズ・イヤーズの保護へと向ける彼のストーリーを語る短編映画『ラインによる定義』を制作した。
午後4時にブラフに到着すると、気温計は41度を指していた。〈サザン・ユタ・ウィルダネス・アライアンス〉の友人のおかげで僕らは土壇場でホテルの部屋を確保したが、休憩もせず、ジャレッドは即座に翌日市民集会でペリスコープのインタビューをライブ中継するためのインターネット・ホットスポットを探しに出かけた。ジョーとジョンと僕がジョシュ・ユーイングと会うために〈フレンズ・オブ・シーダー・メサ〉の事務所へ行くと、彼は翌日使う国定公園支持のポスターを作る仕事を与えてくれた。
内務省と農務省が催した市民集会の名目は、関心を抱く人びとが内務長官のサリー・ジュエル氏と他の土地管理役員に意見を述べるチャンスを与える「意見聴衆会」だった。フォー・コーナーズ(ユタ、アリゾナ、コロラド、ニューメキシコの4州が接する地点)地方全体からおよそ1,500人が集い、そのうち1,000人は明らかに国定公園を支持、500人が反対していた。意見を述べた約60人のうちでこの地域の保護に反対した人はほとんどいなかったが、望まれるその保護方法、つまり国定公園にするか新しくユタ州が導入した「パブリック・ランド・イニシアチブ(公共土地イニシアチブ法)(PLI)」にするか、については意見が別れた。
僕らのペリスコープ・ストリームは午前9時半にはじまり、その日1日つづいた。ジョンが場内からの引用句をジャレッドにテキストし、ジャレッドがツイートするあいだ、僕らは12のインタビューをライブ中継した。最初のインタビューのあと大群が押し寄せ、シグナルが衰えた。僕らは第二の手段に切り換え、残りのインタビューを行うための2つめのシグナルを見つけた。39度の温度はジャレッドの携帯には過酷で、2度ほどオーバーヒートしたので、ジョーがホテルの部屋へアイスパックを取りに走った。
合計でビデオは11,000回、214時間以上閲覧された。ツイートのインプレッションの合計数は763,654。#ProtectBearsEarsハッシュタグはこの1週間に347のユニーク・ユーザーによって658回使われ、10,525,764のインプレッションを記録した。
国定公園指定への最終結論は、まだオバマ政権によって出されていないが、ジュエル長官のブラフとベアーズ・イヤーズ地域への訪問のあいだ、環境保護団体とベアーズ・イヤーズの〈インター・トライバル・コーリション〉はできる限りの好印象を与えた。僕らは望まれる結果が出ることを期待している。
行動を起こそう!
〈ベアーズ・イヤーズ・コーリション〉はベアーズ・イヤーズ地域を国定公園として永久に保護することを求めています。嘆願書に署名し、ベアーズ・イヤーズの保護を支持するあなたの声を轟かせましょう。