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地図:フットプリント・クロニクル
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いちグローバル企業としていまもTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に反対します。

By ローズ・マーカリオ   |   2016/01/27 2016年1月27日

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環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が高額な医薬品価格の保護を抑制し、タバコ会社が地元の反喫煙法案を負かす援助をする法的制裁を削除したというのはうれしいことです。長年吹聴されながらも一連の貿易協定では施行されなかった、より優れた労働者の保護や、野生動物を経済的搾取から保護することも新しい協定の一部かもしれません。

しかし、TPPが行政による調整、ビジネスと一般からの支持獲得のためのホワイトハウスの活動、そして最終的な連邦議会での投票という次の段階に入るなかで、TPPに反対する私たちの立場は依然として変わりません。12か国にわたる地域での潜在的な関税削減による経済的恩恵を得られるとしても、です。

最大の問題はTPPの秘密対応です。ファスト・トラック認可は部分修正もないまま議会で信任投票され、そして法律となるまで交渉は非公開で、一般からのコメントも受け付けないまま行われることができます。だからこの協定について私たちの誰もが知ることは、すべて又聞きであり、良いニュースも悪いニュースも推測に過ぎません。これは透明性とは正反対で、薄弱な民主主義といえます。いまから20年後、私たちの子供たちが、この慣行がかつて容認できるものと考えられたことに首を振る様子が想像できます。

近年の貿易協定はすでに、低い貿易障壁を下げることよりも、ますます知的財産の保護のためのものとなっています。複数筋の独立機関による分析では、TPPの採択によって貿易に重要な影響が与えられることはないと予期しています。それは大企業の知的財産にとっては恩恵があり、国際貿易にとっては差し引きゼロで、小企業にとっては有害です。オーガニック食品ビジネスの仲間たちは誰もが未来の世代のアメリカ農夫にもたらす悪影響を懸念し、TPPを支持していません。そして私たちが知るかぎり、環境保護も人身売買への制裁も強化されていません。

私たちはいまも投資者と州の紛争解決の構造に懸念を抱いています。それはアメリカが協定で定められたレベルを超えて環境保護法を強化した場合に失われる利益の返還を求め、外国の多国籍企業とヘッジファンドがアメリカに対して訴訟を起こすことができることです。そしてそのツケを支払うのはアメリカの納税者です。

パタゴニアは私たちのビジネスに悪影響を及ぼすことを懸念し、1990年代初期のNAFTAとGATT(関税と貿易に関する一般協定)に反対しました。その判断は合っていました。これらの協定が実行される前は、パタゴニアの製品の半分以上がアメリカの繊維工場や縫製工場で作られていました。NAFTAとGATT以前、パタゴニアのデザイナーや製造スタッフは世界中、そしてアメリカ国内における資源の活用が可能でした。けれどもNAFTAとGATTはアメリカのアパレル産業に大打撃を与えました。私たちは毎週のように、ほとんど物憂げに、なぜもっと自国で衣類を製造しないのかとお客様に問われます。それに対するすばらしい回答はありません。なぜなら非常に単純な衣類以外のインフラは本国には無くなってしまっているからです。

究極的な問題は貿易が自由かどうかではなく(それは世界中でだいたいにおいて自由です)、新しい貿易協定から恩恵を受けるのは誰なのかにあります。それは国内あるいは国外の多くの人にとって有益なのでしょうか。それともごく少数の人、つまり不透明で一般の監視なしに自分の利益を法律にしてしまえる経済的/政治的権力をもつ人にとって有益なのでしょうか。それがTPPの最大の問題であり、反対すべき最強の理由です。

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