解決策シリーズ・パート7:投票しよう!
アニー・レオナード、『The Story of Stuff』プロジェクト
2014年11月4日(米国時間)はアメリカ国民による中間選挙の投票日です。パタゴニアはクリーンかつ再生可能なエネルギー、きれいな水/空気の復元、危険な高炭素の化石燃料からの離脱を推進する候補者や、未来と地球のために行動するリーダーを支援します。
投票は誰もが行使できる権利で、票は私たちの声を轟かせる媒体です。
今回の解決策シリーズでは、『The Story of Stuff』プロジェクトの創始者アニー・レオナードが投票することの重要さ、特に投票率が低い中間選挙の重要さについて執筆してくれました。
アートワーク:Todd Gilloon作「Besties」は投票を促すためのクラウドソーシング・プロジェクトの一部。収益はアーティストと〈HeadCount〉へ
「良い市民は自分以外の人と問題について興味を持つ… 彼らは自分を教育し、ボランティア活動をする。人の意見に耳を貸す。そして長期的な視野を持ち、投票する」
–マサチューセッツ州知事デヴァル・パトリック
1990年、私は初めて民主的に大統領を選出した直後のハイチを訪れました。ポルトープランスの通りではハイチ人は投票所に入った印であるインクのついた親指を誇らしげに見せてくれました。彼らは投票できることを喜び、2週間が経ってもインクを洗い落としていませんでした。
大統領選挙に投票する有権者の率が60%のアメリカとは対照的です。連邦議会を選出する11月の中間選挙の投票率はわずか40%です。オーストラリア、ベルギー、チリなど10人に9人が投票する国と比較すると、ひどい数字です。
政治のこう着状態と党派の中傷合戦が蔓延するこの時代で、政府が環境、経済、社会的問題に対する真の解決策として機能することを期待するのは無駄のように思えるかもしれません。しかし、優れた市民の組織化運動の結果、政府は大気浄化法や安全飲料水法、その他多くの法律によって環境をよりきれいで安全なものとしました。また政府は国立公園、原生地域エリア、野生で景観に優れた川を与えてくれました。
しかし、しばしば悠長でぎこちなく苛立たしい政府は、私たちがそうなるように関与すれば、前進の力強い手段でもあります。企業の利害と党派のイデオロギー信奉者にこの前進の手段はハイジャックされています。けれども、私たちは解決策を前進させるための味方としての政府を取り戻すために闘うことができるし、そうしなければならないのです。
政府を取り戻すために私たち国民ができる必須項目を下記します。
1. 投票する
投票は重要です。だからこそ香港からアマゾンまで世界中で人びとは投票する権利を要求してデモ行進するのです。女性の権利や公民権運動のリーダーはすべてのアメリカ国民に投票する権利を与えるために逮捕、暴力、そして自分の命すら危険に晒しました。この最も基本的な権利を行使することは、彼らのみならず未来の世代のために義理を果たすことです。私たちと価値観を真に分かち合っていない2人の候補者から選ぶのはじれったいことですが、それは正しい方向に進むための戦略です。私たちの目標にすぐに到達するのが難しくても、より近づけてくれる候補者に投票しましょう。
私は「パタゴニアの環境に投票を」の呼びかけに賛同します。環境に配慮した候補者への投票は多くの基本事項をカバーします。ミュージシャン(そして生涯のサーファー)として、ジャック・ジョンソンは「再生可能エネルギーを支持する候補者に投票することは職を作るため、そして原油輸入から自立するため、つまりは平和への投票だ。きれいな空気と安全な飲料水を保護する候補者への投票は公衆衛生への投票なのだ」と語ります。
有権者登録がお済みでない方は〈Rock the Vote〉でサインアップができます。〈HeadCount〉は全米でのコンサートやフェスティバルにて有権者を募る支援をします。また私たちは投票権を保護する必要もあります。投票権法の主要条項は危険に晒されています。私たちはこの重要な民主権を保護するために闘わなければなりません。
アートワーク:Anna Dulaney作「Happy Bear」
2. 声を轟かせる
ホワイトハウスで働いていた友人は、何らかの事柄を要求する/反対する人びとにオバマ大統領は毎日どなられていますが、環境を懸念している人はそんなことはしないと教えてくれました。私たちの運動はとても静かであり、意思決定の際に環境への懸念は配慮すらされていないと彼は言います。だから音量を上げ、私たちの声をきちんと届けるようにしようではありませんか。あなたにとって重要な問題について地元議員に手紙を書きましょう。もっと有効なのはタウンホール・ミーティング(対話集会)に参加し、公の場で質問することです。市庁舎、州の議事堂やワシントンDCを訪問するなら、選出議員にミーティングを依頼し、直談判しましょう。私たちが求めることを頻繁に大声で伝えないかぎり、それが何であるかを彼らには分からないのです。
アートワーク:Misia作「Vote the Environment」
3. 選出議員を監視し、その結果に基づいて投票する
私たちが彼らの給料を払っていることを忘れないでください。大工や車の修理工を雇った場合、その仕事ぶりをチェックしないことはないでしょう。選出議員に要望を伝えたあとは彼らの投票記録を監視し、その結果に応じて投票所で彼らに恩恵あるいは処罰を与えなければなりません。
選出議員の投票記録と企業からの政治資金をいくら受け取っているかを簡単に追跡するウェブサイトは多くあります。〈League of Conservation Voters(環境保護投票者リーグ)〉は連邦議会の議員を最も重要な環境問題で格付けする年次レポートを出版しています。ほとんどの州も環境保護投票者グループを有します。〈Oil Change International〉は化石燃料の選出議員への政治献金を追跡するウェブサイト「Dirty Money」を維持しています。
4. 繰り返す、繰り返す、繰り返す
時として刺激的で型破りな候補者がこれまで投票したことのない何百万人もの人びとを感化し、行動させることがあります。残念ながら、こんな候補者が勝つ(負ける)と、そういった有権者の多くが無関心層に戻ってしまいます。しかし、私たちに対抗する特別利益団体は長期的に関与します。私たちは投票、声を上げること、監視することを日課にし、私たちのあり方の一部にする必要があります。
5. 真の民主主義へ戻るための仕事
投票、声を上げること、議員のパフォーマンスを監視すること以外にも政府を解決策へと動かすために私たちにできることはまだあります。私たちの最も重要な仕事はお金が政治におよぼす影響を削減することです。最近の最高裁の判決は企業と上位1パーセントの富裕層からの政治キャンペーンへの献金の堰を切り、民主主義の要石である1人1票の原則を歪めています。幸いなことに多くの団体がこのバランスを修復するために働いています。この努力へ参加するには〈Money Out-Voters In〉をご覧ください。
アートワーク:Molly作「Ghost」
私は環境やその他の解決策のために政府を動かすことが簡単などという幻想は抱いていないし、実際に難しいことを知っています。でもそれは不可能ではなく、その可能性が私に希望を与えてくれます。登山から責任ある会社の経営まで、実行の価値があるものは概して困難なものですが、だからといってあきらめはしないでしょう。すべての旅は第一歩からはじまります。有権者登録をしましょう。そこから次の一歩、そして次の一歩を踏むのです。この一歩一歩が私たち、そして私たちの惑星が緊急に必要とする解決策に近づけるのです。
このシリーズを読む:
解決策シリーズ・パート1:川の中の赤ん坊
解決策シリーズ・パート2:私たちのコミュニティにおける解決策
解決策シリーズ・パート3:行動する
解決策シリーズ・パート4:ビジネスにおける解決策
解決策シリーズ・パート5:実行に移す
解決策シリーズ・パート6:失望感に屈っしてしまうことに抗う
解決策シリーズ・パート7:投票しよう!
解決策シリーズ・パート8:近日公開
アートワーク:Katie作「Rose Valley Spring Bloom」
参加し、情報を入手しよう。2014年11月4日、この惑星を投票ブースにしましょう。