雪を追い求めて南半球へ:#PursuitOfPowderのライブアップデート
僕らは僕らの人生を一歩ずつ歩んでいく。その一歩は雪、泥、氷、岩に、そして次第に舗装道路に。右足を左足の前へという無限の繰りかえしは、空間と時間を通り抜けて僕らを移動させる。周りの世界が変わり、それは明らかに僕らをも変える。
赤道を一歩またぎ、北の夏から南の冬へと見えない境界線を越える。そこからさらに数十万歩を進むと出会うのは、雪を頂く火山が点在する果てしない砂漠、緑が生い茂る熱帯雨林に衝突する巨大な氷河、周囲の雲やスモッグを突き抜けて高くそびえる氷に覆われた山頂、そしてその麓に広がる温暖な活気あふれる大都市。
「冬」とは、北アメリカの空が雲で覆われて冷たい空気に満ちる3か月間のことではない。僕たちパタゴニアのスノーアンバサダーにとってそれは、まったく違う定義付けへの追求だ——それは1年の12か月間、冬の手で触れつづける空間を探し求めるための、弱まることのない原動力。
もうひとつの冬に向かって南に飛び込むのは、もうひとつのチャンスを得たような気分だ。遅い冬がやっとフル回転しはじめたちょうどそのころ、腕を骨折してパウダーシーズンを棒に振った僕にとってはまさにそうだった。
到着するやいなや、すぐにそのエギゾチックさに夢のような気分に陥ってしまう。体内の季節計が360度逆方向にまわり、控えめにいっても超現実的な感覚に包まれる。山の村々の野良犬はバックカントリーへと進む僕たちのあとを何十キロもついてくる。露出した環境の容赦ない冷気と風に荒れながらも温かい笑顔。どこまでもつづくオーシャンブルーの海原に浮かぶ真っ白い島々。
冬というのは場所ではなく、ひとつの概念だ。それは到着すると瞬時に去り、この空間を夏に戻してしまう。捕まえたり、閉じこめたり、消費したりすることのできない一時的な状態。一瞬の出来事であっても、そこに留まり、それを満喫したいという願いを抱きつつ、一歩ずつ追い求めることしかできない概念。
これが僕らの旅のイメージ。これが僕らのパウダーの追求だ。
カナダの西海岸在住だと主張するエリエル・ヒンダートは、ダッフルバッグ1つで1年のほとんどを雪とスウェルを追いかけて暮らす。パタゴニアの草の根アスリートで、ESPNと『The Ski Journal』、『Powder Magazinel』、『Freeskier』の各雑誌に最近寄稿をはじめた彼は、執筆は実際合理的な職かもしれないという無謀な考えを抱きつつある。
パタゴニアのライダー、フォレスト・シアラー(@forrestshearer)、アレックス・ヨーダー(@yoderyoder)、ピアーズ・ソロモン(@pierssolomon)、デーヴ・ローゼンバーガー(@american_dave)、エイダン・シーハン(@aidansheahan)、カーストン・オリバー、エリエル・ヒンダート(@eliel_hindert)は現在も南半球でパウダーを追求中。インスタグラム、Tumblr(タンブラー)、ツイッター、フェイスブックなどで、#pursuitofpowderをフォローし、彼らの写真をお楽しみください。以下はこれまでの写真のほんの一部です。